不動産売却の手元に残る金額は、不動産売却時に課税される税金や費用を計算し算出します。税金計算用の売却益(譲渡所得)とは異なるため、計算方法を理解しておくことが重要です。
しかし、手取り金額の計算には売却価格だけでなく、諸費用や税金、住宅ローン残債などさまざまな要素が関わっています。注意を怠ると予想以上に費用がかかる恐れもあるため注意が必要です。
そこで、本記事では不動産売却の手取り金額について計算方法や諸経費の種類、手取りを最大化するコツなどを解説していきます。不動産売却を検討している方は参考にしてみてください。
不動産売却時の手取り額の計算方法
不動産売却の手取り額は売却価格から税金や手数料、諸経費、住宅ローン残債などを差し引いて計算します。以下では、手取り額の基本的な計算の流れと控除できる経費の種類について解説していきます。
基本的な計算の流れ
基本的に、手取り額は『手取り額=売却価格ー(税金+手数料+諸経費+住宅ローン残債)』で算出します。諸費用の目安は売却代金の3〜5%ほどです。
手取り額は売却益に対して課される譲渡所得とはことなる点に注意してください。また、住宅ローン残債が多く残っていると、高く売れても、手取り額が少なくなってしまうことを把握しておきましょう。
控除できる経費の種類
不動産売却の際、経費として認められるものは以下2つです。
取得費(不動産の購入にかかった費用) | 譲渡費用(不動産売却にかかった費用) |
---|---|
不動産購入費 仲介手数料 売買契約書に添付する収入印紙の購入費 登録免許税 不動産取得税 司法書士費用 リフォーム費用など | 仲介手数料 売買契約書の印紙税 不動産売却のために実施した測量、解体、補修などの費用 資産価値を調べるために実施した鑑定手続きの依頼料 違約金 交通費 |
取得費は不動産を購入するのにかかった経費です。ただ、建物は老朽化により、資産価値が落ちるため、減価償却手続きが必要な点に注意してください。
かかる諸経費の内訳
不動産売却の手取り金額を算出するには、不動産売却にかかる諸経費の内訳を理解しておきましょう。以下で仲介手数料の計算方法やその他の必要な経費について解説していきます。
仲介手数料の計算方法
不動産は高額であるため、手数料が高額になるのを防ぐため、宅地建物取引業法という法律によって上限が定められています。
仲介手数料の速算法は以下の通りです。
売却価格 | 計算方法(速算法) |
---|---|
200万円以下 | 売却価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円<400万円以下 | 売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
400万円を超える場合 | 売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
仲介手数料は売買契約時に一括請求されるケースがほとんどですが、事前に仲介を依頼した不動産会社に確認しておきましょう。
その他必要な経費
不動産売却の手取り金額を算出するには、仲介手数料以外にも以下のような経費も考慮する必要があります。
- 収入印紙代
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 譲渡所得税
- 登記費用
- 司法書士への報酬
- 抵当権抹消費用
- 土地の測量費
上記以外にもリフォーム費用や建物解体費、ハウスクリーニング費、引っ越し費用、家財の処分費用も含まれることがあります。
税金の計算と控除
不動産売却の手取り金額に関与する税金の計算方法と控除の活用方法を解説します。
譲渡所得税の計算方法
不動産を売却して得た利益を譲渡所得と言います。この譲渡所得は以下の方法で算出します。
▼譲渡所得の計算方法
①譲渡所得=譲渡収入金額ー(取得費+譲渡費用)
②課税譲渡所得ー譲渡所得ー特別控除
取得費とは、購入価格から経年劣化などによる減価分を差し引いた金額です。譲渡費用とは、印紙代や仲介手数料など不動産売却に発生した手数料を指します。特別控除とは、特定の条件で適用される減税制度です。
これらを差し引き、譲渡所得がプラスになった場合のみ、譲渡所得税が発生します。損失が出た場合は課税対象になりません。
日本では、不動産売却で得た利益は分離課税の税率となります。税率は対象となる不動産の用途や所有期間によって税率が異なります。
▼譲渡所得の税額の計算方法
『税額=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)』
また、譲渡所得の課税方法は所有期間によっても異なります。
所有期間 (譲渡した年の1月1日現在において) | 課税区分 | 税率 |
---|---|---|
5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.63% (所得税 30.63%・住民税 9%) |
5年超え | 長期譲渡所得 | 20.315% (所得税 15.315%・住民税 5%) |
上記を参考に譲渡所得税を計算してみてください。計算が難しい場合は、不動産会社のスタッフに一緒に計算してもらいましょう。
特例制度の活用法
不動産売却時に利用できる特別控除は主に以下5つです。
特別控除 | 内容 | 併用の可否 | |
---|---|---|---|
① | 3,000万円特別控除 | 譲渡所得から3,000万円を控除できる特例 | ②と併用可 |
② | 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 | 3,000万円特別控除後の譲渡所得にかかる税率を下げる特例 | ①と併用可 |
③ | 特定の居住用財産の買換え特例 | 新しい住宅を購入した時に、課税の繰り延べができる特例 | 併用不可 |
④ | 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 | 買換えを前提として譲渡損失を繰り越して控除できる特例 | 併用不可 |
⑤ | 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 | 買換えをしなくても譲渡損失の内、住宅借入金などの金額から譲渡資産の譲渡価額を控除した限度として、他の所得との通算および繰越控除ができる特例 | 併用不可 |
どの特例制度にも適用条件、利用期限が定められています。利用を考えている場合は、事前に詳しく確認しておきましょう。
手取り額を最大化するコツ
不動産を売却し、手取り額を最大化するコツを以下2つ紹介します。
経費の見直しポイント
不動産売却の手取り額を最大化するには、売却価格を高く設定するだけでなく、経費を見直すことも重要です。以下のポイントをチェックし、無駄な出費を抑えましょう。
- 仲介手数料の交渉
- リフォームや修繕費を抑える
- 登記費用の節約
- 引っ越し費用の最適化
不動産会社に支払う仲介手数料は法律で上限が定められていますが、ケースによっては値引き交渉が可能です。売却前にリフォームする場合、過剰な修繕は避け、必要最低限のクリーニングや修繕に抑える必要があります。
これらのポイントを見直して経費を削減することで、売却後の手取り額を最大化できます。
有効な税金対策
不動産売却の手取り額を最大化するには、税金対策が欠かせません。譲渡所得税の特別控除(3,000万円控除)や軽減税率の適用を確認し、不要な税負担を減らしましょう。
また、取得費加算の特例を活用すると、課税対象額を減らせます。このように、税金の優遇措置を活用することで、手取り額を最大化できます。上記で不動産売却時に利用できる特例控除について紹介しているので、参考にしてみてください。
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項目 | 詳細 |
会社名 | 株式会社ベンハウス |
所在地 | 神奈川県横浜市西区楠町10-1 |
創業年数 | 1993年6月 |
公式サイト | https://www.benhouse.com/sale/ |
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まとめ
本記事では、不動産売却の手取り金額について計算方法や諸経費の種類、手取りを最大化するコツなどについて詳しく解説しました。
不動産売却時の手取り額の計算には売却価格だけでなく、諸費用や税金、住宅ローン残債などさまざまな要素が関わっているため、計算方法を理解しておくことが大切です。
最後に横浜市で不動産売却する際に、おすすめの不動産会社も紹介しているので、参考にしてみてください。