「親の家は売却するべき?」
「親の家の売却方法は?」
親の家を売却するべきか否かは、さまざまな要因を考慮して判断する必要があります。例えば、親が亡くなって相続した家を売却する場合は、相続税を支払うための資金が必要になることから、売却を検討することになるでしょう。
また、親が施設に入居し、空き家になった場合も、売却を検討することになるかもしれません。状況に合わせて、最適な手段を取ることが重要です。
この記事では、親の家を売却する方法と費用、失敗しないためのポイントを詳しく解説します。思い入れのある大切な家だからこそ後悔しないように、親の家を売却する際にはぜひ参考にしてください。
親の家を売る方法
親の家を売却する方法は、大きく分けて3つあります。
それぞれの方法を解説します。
相続した家の名義を変更して売却する
親が亡くなり、親の家には誰も住んでいないという方向けの方法です。
相続した家の名義を変更して売却する場合は、相続手続きを行います。相続手続きが完了したら、不動産会社に査定を依頼し、売却価格を決定。不動産会社が売却広告を作成して、買い手を探してくれます。
この方法のメリットは、手続きが比較的簡単な点です。売却価格は、市場価格に基づいて決定されるため、適正な価格で売却できる可能性が高いです。
一方、デメリットとしては、相続手続きに時間と手間がかかる場合がある点です。また、相続税の納税義務が生じる場合があるため注意が必要です。
親の代理人になって売却する
家を売却する気持ちが親にある場合におすすめの方法です。
親の代理人になって売却する場合は、まず、委任状を作成します。委任状を取得したら、不動産会社に委任状を渡し査定を依頼、売却価格を決定するという流れです。その後、不動産会社が売却広告を作成して、買い手を探してくれます。
この方法のメリットは、相続手続きを待たずに売却できる点です。また、親の意思を尊重しながら売却できる点もメリットです。
一方、デメリットとしては、委任状を取得する際に、親の意思確認が必要となる点です。また、親の代理人として売却を行うため、手続きは注意して実施する必要があります。
成年後見人制度を利用して売却する
認知症など、何らかの理由で親の売却意思を確認できない方におすすめの方法です。
成年後見人制度を利用して売却する場合は、家庭裁判所に後見人選任の申し立てをします。後見人が選任されたら、後見人として不動産会社に査定を依頼し、売却価格を決定します。その後、売却広告を作成して、買い手を募ります。
この方法のメリットは、親の判断能力が十分でない場合に、親の財産を保護しながら売却できる点です。一方、デメリットとしては、親の判断能力が不十分であると家庭裁判所に認められなくてはならないという手間がかかることが挙げられます。
親の家を売る際の税金
親の家を売却する際には、以下の費用がかかります。
それぞれを以下で詳しく解説します。
登録免許税
登録免許税とは、親の家の所有者名義を、親から自分に変更する際に発生する税金です。納税額は固定資産税評価額の0.4%となります。
相続の手続きは、慣れない作業のため時間がかかってしまいます。一般的には弁護士などに依頼します。弁護士に払う報酬なども別で発生することに注意が必要です。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産や株式などの資産を売却した場合に課される税金です。譲渡所得税は、売却した資産の譲渡所得から、譲渡費用を差し引いた金額に、税率を乗じて計算します。
譲渡所得税額 = 譲渡所得(購入時価格ー売却価格) – 譲渡費用
上記の計算結果に税率をかけたものが譲渡所得税です。
印紙税
印紙税とは、一定の文書に課される税金です。印紙税は、文書の作成または交付の際に、その文書に収入印紙を貼付して納付します。
親の家を売る際に作る売買契約書に印紙税がかかります。印紙税も売買の金額により納める税金が違います。
契約書に記載する売買金額 | 印紙税 |
50万円超100万円以下 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超1億円以下 | 30,000円 |
親の家を売却するときに注意すること
親の家を売却する際には、以下の点に注意しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
売却時期
親の家を売却する際には、売却時期が重要です。売却時期によって、売却価格や売却のしやすさが変わってくる可能性があります。
親が施設に入るタイミング、親が亡くなってしまったタイミングなど親の状況により売り方は様々です。親と今後の家の方針についてしっかり相談しておくことが大切です。
基本的には、親が生前のうちに売却することをおすすめします。理由は、放置された家の老朽化や相続トラブルの防止、居住用財産3,000万控除が受けられるなどメリットが多いためです。
売却価格
親の家を売却する際には、売却価格も重要なポイントです。売却価格は、以下の点に左右されます。
- 相場価格
- 周辺環境
- 建物の状態
売却価格を決める際には、相場価格や周辺環境、建物の状態を考慮して、慎重に判断しましょう。適正な売却価格は、自分で調べても分からないことが多いです。複数社の不動産会社に依頼することで適正価格が見えてくるでしょう。
税金
親の家を売却する際の税金で解説していますが、売却する際に納める税金があります。
- 登録免許税
- 譲渡所得税
- 印紙税
売却価格に応じて、納める税金の額も変化するため注意が必要です。
契約不適合責任
契約不適合責任とは、売買契約などの契約に基づいて引き渡された目的物が、契約の内容に適合しない場合、売主や請負人などの契約者(契約不適合者)が買主や受注者などの相手方に対して負う責任です。
契約後に事前申告されていなかった欠損・土壌汚染・事故物件などが発覚すると契約不適合となり、補修費用などの請求を受けることがあります。
境界確定
境界確定とは、土地の境界を明らかにする手続きです。境界が明確になっていないと、隣接地とのトラブルに発展する可能性があります。
境界を把握できていない場合は、確定測量を依頼しましょう。確定測量とは、専門の資格を有した土地家屋調査士が境界を確定してくれることをいいます。
確定申告
確定申告とは、1年間の収入や支出、所得控除などの情報を申告して、その年の所得税や住民税の税額を確定させる手続きです。親の家を売る場合、売却による利益が出た際に確定申告を実施する必要があります。
失敗しないための3つのポイント
親の家を売る際に失敗しないための3つのポイントは以下です。
それぞれ解説します。
売却時期を決める
親の家を売る際の注意点でも解説しましたが、親の家を売却する際には、売却時期も重要なポイントです。
この記事では親が生前の内に家を売却することをおすすめしています。親が施設に入った、子供が自立するタイミングなどで、家の売却を検討しましょう。
生前の内に売却することで
- 放置されてる家の老朽化を防げる
- 相続トラブルが起きにくい
- 居住用財産の3,000万円控除が受けれる
などメリットが多いです。特に居住用財産の3,000万円控除は条件がありますが、適用できれば、売却で発生した利益の3,000万円まで控除を受けられます。譲渡所得税が減税できるため適用のメリットは大きいでしょう。
適正な売却価格を設定
親の家を売却する際には、適正な売却価格を設定することが重要です。ポイントを押さえて、最適な売却価格を設定しましょう。
- 相場価格を調べる
- 周辺環境を調べる
- 建物の状態を調べる
複数の不動産情報サイトや不動産会社に相談して、相場価格を調べましょう。相場価格を知ることで、適正な売却価格の範囲を把握できます。
駅や商業施設などの利便施設が近くにある場合は、売却価格が高くなる傾向があります。昔、住んでいた環境と変化している可能性もあるため注意してください。
築年数が経っている場合や、傷みが大きい場合は、売却価格が低くなる傾向があります。そのため、建物の状態を調べて、売却価格に影響する要素を把握しましょう。
信頼できる不動産会社に依頼する
信頼できる不動産会社を見つけるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 適切な売却価格を提案してもらえる
- スムーズに売却を進めてくれる
- トラブルを未然に防げる
適正な売却価格を提案してくれるかは、複数の不動産会社を比較し、提示された価格の理由をしっかりヒアリングしましょう。類似したエリアや販売実績があれば信頼できる情報の1つにもなります。
また、遅滞なくスムーズに家を売却できるかどうかも重要です。不動産会社に依頼する際は契約までに売却の流れなど気になる点はしっかり聞き、問題なく対応してくれるか判断しましょう。
さらに、営業の対応力も見極める必要があります。不動産の売却は依頼する不動産会社によって結果が左右されます。トラブルや急な要望への対応力をしっかりみて判断しましょう。
親の家を売却する際には、信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。上記のポイントを押さえて、信頼できる不動産会社を見つけましょう。
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項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社ベンハウス |
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創業年数 | 1993年6月 |
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まとめ
親の家を売却で失敗しないようにするには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
- 売却時期を決める
- 適正な売却価格を設定
- 信頼できる不動産会社に依頼する
親の家を売ることは人生で1度の経験です。ゆえに知識や経験がないまま売却してしまい、トラブルに巻き込まれる、適正価格より低い価格で売却してしまったなど後悔する方も少なくありません。
親の家を売却する際には、上記のポイントを押さえて、失敗のない売却を目指しましょう。
この記事があなたの親の家の売却の参考になれば幸いです。