不動産売却で譲渡所得がある場合、確定申告が必要です。近年はネットから確定申告が行えるetaxという便利なサービスがあります。
しかし、不動産売却の確定申告が初めての場合、不安や分からないことが多いです。そのため、確定申告を行う前に、方法や必要書類を把握しておく必要があります。
そこで本記事では、不動産売却の確定申告をetaxで行う際の手順や必要書類について解説します。不動産売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
etaxとは
etaxは、所得税や贈与税などの税金(国税)に関する手続きをインターネット上で行えるシステムです。etaxのホームページや国税庁の確定申告書作成コーナーから行えます。画面にしたがって必要書類の作成や電子申告を進めていくだけなのでとても簡単です。
電子申告なので、インターネット上のデータのやり取りのみで完結するため、手間がかからないのもメリットです。なぜ、便利なのか下記で詳しく解説していきます。
不動産売却の確定申告にetaxが便利な理由
etaxが便利な理由には以下のような理由が挙げられます。
- 自宅で行える
- 日時を問わない
- 税務署に行かなくて良い
- 待ち時間なく、スムーズに手続き完了できる
- 早めに申請できる
- 印刷不要
- 添付書類を省略できる
- 動産売却の特例が選択形式
- 還付金を早めに受け取れる
- 自動で税額を計算できる
必要書類を集めたり、印刷する手間なく、空いている時間に行えるのがetaxを利用するメリットです。
不動産売却の確定申告をetaxで行う際に必要な書類
不動産売却の確定申告書を作成する際は、建物や土地の取得額や譲渡費用などの情報の入力が必要です。そのため、不動産売却の確定申告をetaxで行う際は必要書類を準備しておきましょう。
以下に必要書類とその入手場所、入手時期をまとめたので、参考にしてみてください。
書類 | 入手場所 | 必要なタイミング |
---|---|---|
購入時の売買契約書、建物請負契約書 | 購入の売買契約時、請負契約時 | 不動産売却時 |
不動産売却時の売買契約書と領収書 | 売却の売買契約時、残金決済時 | 不動産売却時 |
取得費用を証明する書類 (契約書やパンフレットなど) | 不動産取得時 | 不動産売却時 |
譲渡費用(仲介手数料や登記費用など)が分かる書類(領収書など) | 売却の売買契約時、残金決済時 | 確定申告前 |
不動産売却や特例に関する書類 | 法務局、不動産会社 | 特例によって異なる |
住宅ローン残高が分かる書類 | 住宅ローン借入時 | 確定申告前 |
登記事項証明書 (登記簿謄本) | 本籍地の役所 | 確定申告前 |
源泉徴収票 (給与所得者の場合) | 勤務先 | 年末 |
譲渡所得の内訳書 | 国税庁、税務署 | 確定申告前 |
etaxで確定申告を行う際、手元に用意して置くと、スムーズに確定申告書を作成できます。
不動産売却の確定申告をetaxで行う手順
不動産売却の確定申告をetaxで行う手順を紹介していきます。実際に作成する際の参考にしてみてください。
国税庁が後悔している『確定申告書作成コーナー~申告書等作成のための操作の手引き~土地・建物の譲渡 マイホーム売却による譲渡益 編』を参考にしてみてください。
①確定申告書作成コーナーにアクセス
まず、etaxにアクセスし、マイナンバーカードを使ってログインします。

ログインしたら『確定申告を行う』を選択し、サイト内の『確定申告書作成コーナー』へ進みます。『作成開始』を選ぶと、新規の申請書作成画面に移動します。

該当する年の『申告書等の作成』を選び、『所得税』を選びます。

その後『マイナポータルと連携する』を選ぶと、利用者登録を終えている方は基本情報が自動入力されます。必ず連携する必要はないので、好みで入力を進めてください。
②収入金額・所得金額を入力
『土地建物等の譲渡所得』の『入力する』を選び、内訳書の作成へ進みます。

③譲渡所得の内訳書を作成
『譲渡所得の内訳書』をすでに作成している方は『計算結果入力』へ進みましょう。内訳書をまだ作成していない方は『内訳書作成』へ進み、作成しましょう。

譲渡所得の内訳書は、画面上の指示通りに進めると、簡単に作成できます。
④利用できる特例の入力
特例の入力では、利用できる特例や控除が適用できるかどうかを確認していきます。質問に対して『はい・いいえ』を選び、『判定結果を表示する』を選ぶと、適用可能な特例が表示されます。

④の『特例対応要件確認を終了(次へ)』を選び、画面を進めましょう。
⑤譲渡価格・譲渡費用・取得費などを順番に入力
次に、譲渡所得を算出するために譲渡価額、譲渡費用、取得費などについて順番に入力していきます。
- 譲渡価額:売却代金
- 譲渡費用:売却にかかった費用(仲介手数料や印紙代など)
- 取得費:売却不動産の購入にかかった費用(購入代金、仲介手数料など)

取得費は建物の減価償却費相当額などを考慮するため、物件の詳細情報の入力が必要です。指示通りに入力していくと、正確な取得費が計算され、譲渡所得が算出されます。
⑥入力内容を確認し、提出
すべての入力が完了したら『内容確認』ボタンをクリックし、入力内容に誤りがないかチェックしましょう。
確認し終わったら『申告書を提出する』を選び、電子申告を完了します。提出後は控えを印刷する、もしくはデータで保管し、証明できるデータとして残しておきましょう。
etaxの確定申告で特別控除の特例を適用する場合
不動産売却で譲渡所得を得た場合、課税対象ですが、一定の書類を添えて確定申告を行うと、納税額を減らせる特例や控除が利用できます。以下に、それぞれの特例や控除を利用する際に必要な書類をまとめました。
特別控除の特例 | 必要書類 |
---|---|
3,000万円の特別控除(居住用) | ・譲渡所得の内訳書 ・戸籍の附票の写しなど |
居住用財産の買い換え特例 | ・譲渡所得の内訳書 ・戸籍の附票の写しなど ・登記事項証明書(売却した居住用財産と買い替えた居住用財産の両方) ・売買契約書の写しなど譲渡価格が1億円以下を証明する書類、耐震基準適合証明書 ・建設住宅性能評価書の写し ・既存住宅売買瑕疵保険契約が締結されていることを証する書類 ・買い替え資産の明細書 |
居住用財産の買い換えによる譲渡損失の特例 | ・居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表) ・居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書 ・戸籍の附票の写しなど ・売却した居宅に自分が住んでいたことが証明できる所定の書類 ・新居宅の登記事項証明書や売買契約書の写しなどで購入した年月日 ・家屋の床面積を明らかにするもの ・年末における住宅借入金等の残高証明書 ・確定申告書の提出の日までに買い換えた資産に住んでいない場合には、その旨および住まいとして使用を開始する予定年月日その他の事項を記載したもの |
不動産の所有期間が10年を超える場合の軽減税率の特例 | ・譲渡所得の内訳書 ・売却した居住用家屋やその敷地の登記事項証明書 |
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例 | ・特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書 ・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書 ・登記事項証明書と売買契約書の写し(売却した居住用財産と買い換えた居住用財産の両方)、戸籍の附票の写しなど ・残高証明書(買い換えた居住用財産の住宅借入金など) |
相続した空き家の3,000万円特別控除 | ・譲渡所得の内訳書 ・登記事項証明書など ・売買契約書の写し ・被相続人居住用家屋等確認書 ・耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し |
利用する際の参考にしてみてください。
不動産売却で譲渡所得があれば確定申告が必要
不動産売却後に利益が出たり、特例や控除を利用する場合は確定申告が必要です。給与所得者(会社員)であっても、譲渡所得が発生した場合は行わなければいけません。
確定申告が必要なケースは以下の通りです。
- 譲渡所得が発生する
- 特別控除や特例を利用する
譲渡所得とは、不動産売却による売却益を指し、一定の金額を超えると所得税が課されます。譲渡所得は『譲渡所得=売却価格ー(取得費+譲渡費用)』で算出します。
特例や控除により、納税額が0になる場合もありますが、特例や控除を利用しているので確定申告は必要です。
しかし、不動産売却で確定申告が不要な場合もあります。下記で紹介していきます。
不動産売却の確定申告が不要な場合
譲渡所得を算出し、損失があった場合、原則として確定申告は不要です。不動産売却で損失が発生するケースには、売却価格が購入時(取得費)よりも低い、もしくは売却価格よりも諸経費の方が多い場合があります。
ただ、損失があった場合に確定申告すると、他の給与所得や事業所得などと相殺し、所得税や住民税の負担を軽減できる特例があります。これらを考慮し、確定申告をするか否か判断しましょう。
以下に確定申告が必要なケースと不要なケースをまとめたので、参考にしてみてください。
特例や控除を利用 | 確定申告の必要性 | |
---|---|---|
売却益あり | あり | 必要 |
売却益あり | なし | 必要 |
損失発生 | あり | 必要 |
損失発生 | なし | 不要 |
土地売却後に損失が発生し、かつ特例や控除を利用しない場合のみ確定申告は不要です。ただ、申告するかしないかは状況を見て判断しましょう。
不動産を売却する際は複数社に査定を依頼しましょう
不動産を売却する際は、複数社に査定を依頼することが重要です。なぜなら、査定額は各不動産会社が持つ市場データや販売実績などを考慮して算出するからです。
同じ物件でも不動産会社によって差が出ることはよくあります。複数社に依頼することで、相場が分かり、適正価格で売り出せます。
また、不動産会社を選ぶ際は、売却のタイミングや特例に関する相談ができるかも確認しておくと良いでしょう。
横浜市で不動産売却を考えているなら、ベンハウスがおすすめ
項目 | 詳細 |
会社名 | 株式会社ベンハウス |
所在地 | 神奈川県横浜市西区楠町10-1 |
創業年数 | 1993年6月 |
公式サイト | https://www.benhouse.com/sale/ |
ベンハウスは横浜に拠点を置き、不動産仲介や分譲住宅事業など不動産に関するサービスを提供している、地域密着型の不動産会社です。不動産売却では、無料査定をはじめ、最適な売却プランの提案、販売活動のサポートを行っています。豊富な市場データを活用し、適正価格での売却をスムーズに進められます。
無料相談や査定を実施しているので、横浜で不動産売却を検討している方は相談してみてください。
以下の記事ではベンハウスの会社の特徴や口コミ、売却事例などをさらに詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。
まとめ
本記事では、不動産売却の確定申告をetaxで行う際に必要な書類や手順などを詳しく解説しました。etaxは、待ち時間なくスムーズに行えるだけでなく、税務署や法務局に行かなくて良いため便利なサービスです。
しかし、etaxで確定申告する際は事前の準備や必要な書類があるため、事前に把握しておくことが大切です。
また、不動産を売却する際は、不動産の資産価値や相場を知っておくことも重要です。そのため、不動産会社を選ぶ際は、売却のタイミングや税金について相談できるところを選びましょう。
最後に横浜市で不動産売却する際に、おすすめの不動産会社も紹介しているので、参考にしてみてください。